ニューヨークのアーティストで、ESPO(エスポ)という通称でも知られ、近年は様々な形や大きさのグラフィティ、看板、都会の広告、目を欺く仕掛けを用いた一連の魅力的な作品により、国際的なアートシーンで有名になっている。
1968年、フィラデルフィア生まれ。美術大学を2年で中退すると、ヒップホップのライフスタイル雑誌「On the Go」を刊行し、1997年に雑誌が廃刊になるまで、出版と編集の仕事に集中し、夜と週末のみに絵を制作する生活を送る。彼は出版界での総仕上げとして、「The Art of Getting Over」(セント・マーティン・プレス社、1999年)という、彼の個人的なグラフィティ人生についての本を執筆。そして低額の商取引への賛意と、それと対照的な美術界による高額設定の策略を組み合わせた展覧会の計画を始めた。彼の努力の成果は、フィラデルフィアのInstitute of Contemporary Artで、Indelible Marketという名の展覧会で形になることになった。これはトッド・ジェームス、バリー・マッギーとの共同展覧会で、3人のアーティストが個人的に抱いていたイメージ、“ストリートとの調和、犯罪、不名誉、階級、尊厳”などを反映したアイテムをふんだんに詰め込んだ、期間限定の店舗、というコンセプトで展開された。その後この展覧会は、ニューヨークのダイチ・プロジェクトと2001年のベニスビエンナーレを巡回した。1つの活動を終えるごとに、パワーズの芸術家としての才能は磨かれ、独特のスタイルを確立するまでに成長し、そしてそのスタイルが、彼の書く情熱と描く情熱を結びつけたといえる。